天皇・ニクソン会見「迷惑」…政府が米に不満

2013年03月07日 17:30

 外務省は7日午前、1971年の昭和天皇とニクソン米大統領の会見に関する資料など外交文書72冊を公開したアディダス

 史上初の天皇と米大統領の会見について、日本政府は昭和天皇が政治利用される事態を懸念、「迷惑千万」としていたことが分かった。日本側は昭和天皇の意向で会見受け入れを決めており、象徴天皇制の実態を知る上でも貴重な資料との指摘が出ている。

 会見は同年9月27日、米アラスカ州アンカレジで行われた。欧州諸国歴訪の際に搭乗機の給油のため立ち寄った昭和天皇を、大統領夫妻が現地で迎える異例の形をとったadidas

 公開文書によると、日本側は同年2月23日、アンカレジの日本総領事館に「(米側の)接遇は何ら期待しておらず、むしろ遠慮したい」との公電を送っていた。ところが、8月5日になって、米国務次官から牛場信彦駐米大使(当時)に会見の希望が伝えられた。

 当時は繊維交渉やニクソン・ショックで日アディダス ゴルフ 米関係が悪化していたため、日本側は「儀礼的なものとし、絶対に政治色を帯びさせないこと」などを条件に受け入れた。ただ、米側は「米国の慣行はまず両首脳のみで30分間、引き続き30分間随行者を交えて会談する」など首脳会談なみの日程を提示。会見時間を短くするよう求めた日本側と折衝が続いた。

 こうした経緯をふまえ、福田赳夫外相(後の首相)は牛場大使あての9月20日の公電で、「お立ち寄りに過ぎないことを忘れたかの如き非常識な提案で、わが方としては迷惑千万である。日本人には天皇陛下を政治会談に引き込まんとしたとの印象を与える」と不満を示した。

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